つぼ巣の中の三角関係
残暑の厳しい中、文鳥たちは巣作りに励んでいる。キューを別格にすれば、やはり若者たちが熱心で、ポン・テン・アトは巣草もい草も余さず運び込んでいる。
巣作りもそれなりにするが、「別荘地」にこだわり続けるのがデコ・カナ夫婦だ。放鳥部屋の一つのつぼ巣に執着し、その独占に余念が無い。もちろん他の文鳥たちは、このおかしな夫婦を相手にしないのだが、独占し他の文鳥たちを威嚇し続けるのをまるで無視してハルは押し入る。それで、夫のデコを駆逐するのかと思うとそうでもなく、何となく共存しようとしている。間男としては、争うくらいなら夫が一緒で良いらしいのだ。
・・・夫デコは、実はハルの容姿は好きだが、妻にちょっかい出されるのには嫉妬を覚えている。・・・カナは、実は夫のデコでもハルでも良いらしい。
一体どうなってしまうのか、見当がつかないが、やはり尋常ではないことは確かだ。しかし、この3羽の騒動で済むなら、案外平和かもしれない。元来カナは浮気者らしいので、決まった情夫がいたほうが安心出来ないことも無い。
さはさりながら、へたをするとあっちの巣で産み、こっちの巣で産み、などという事態もありえるかもしれず、やはり放置しづらい。面白いのだが、困ったものだ。
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