![新聞紙を抱えたキュー](/image/img663b2b25zikazj.jpeg)
新聞紙を抱えたキュー
我が家の初代のヘイスケという桜文鳥は天才だった。もちろん天才とは異常と言う意味で、文鳥離れした感覚の持ち主であった。具体的には、目端が利き、人間の言葉を確実に理解しているように見え、それでいて子育てが上手な文鳥のことだが、9代目のキューは祖先をしのいでいるかもしれない。
今日は、飼い主がこっそり封筒を持っているのを即座に見つけ、当然巣材として提供するように強請してきた。中身はビール券だ。渡すわけにはいかぬ。代わりに新聞紙を細長く裂いてやると、人の顔をチラッと見て一枚口にくわえ、さらにもう一枚くわえ、再び人の顔をチラッと見てから、残りの2枚を加え、合計4枚を吹流しのようになびかせて飛んで行った。もちろん、他の文鳥たちは驚き慌てて逃げることになる。
ただ、それを持って飛び回るばかりで、少しずつ落としていき、何もなくなって気が済んでしまうという無意味さは、やはり天才の所業と言うしかあるまい。
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