穀物価格高騰の憂鬱

エダマメを食べあさるゲンとハル
エダマメを食べあさるゲンとハル

 我が家には粟穂を食べる習慣を持たない文鳥が多い。幼児期には与えているのだが、あまり食べなくなり、飼い主も与えなくなるのだ。
 ただ、今現在もポンとテンはよく食べる。完全に丸裸になるまでむしり食べるので、こちらも与えるのを止められずにいる(アトは元々あまり食べず、食べなくなった)。メスと同居すれば変わるかと思っていたが、逆に嫁文鳥たちに粟穂好きが伝染し、あっという間に食べつくすようになってしまった。

 その粟穂、昨今どんどん高騰している。その理由は、飼料会社さんのホームページに詳しいので、興味のある方は一読されると良いだろう。
【西種商店HP】http://www.eonet.ne.jp/~kotori-nishitane/toppage.html
 メーカーがパッケージするような粟穂は、ほぼ100%中華人民共和国産で、それについては「中国産は心配」という昨今のトレンドがあるものの、代替が無く、無いどころか、中国産も入手が困難になりつつあるのが、紛れもない現状なのである。
 日本国内産も完全にゼロではないが、ほとんどゼロといっても良い収量で、販売されていてもすぐに売切れてしまう↓。何しろ、粟穂はインコ類の玩具的食料にもなり、特に中大型インコの飼い主には強いこだわりのある人が多く、まとめ買いも少なくないのだ。
【バードレストランHP】http://www.marusun.com/sab98.html 予約制
【電気農場直売所HP】http://www.asahi-net.or.jp/~uk3y-wtnb/ 完売
【楽天 CAP!HP】CAP! 完売
 ただ、国産の栽培粟はいわゆるモチ種で、一般に文鳥などの飼料として用いられるものよりも、粘り気が強いと考えられる。インコがおやつ的に食べる分にはおそらく問題は無いだろうが、継続的に、特に主食といえるほど食べている場合、その影響は未知数としておかなければならない。
 しかし、そもそも粟穂は穂付きの粟と言うに過ぎず、文鳥用の配合飼料の中の粟と同じものだ。粟穂をよく食べる姿を見ると、特別栄養価が高いのではないかと思えてしまうかもしれないが、脱穀しようとしまいと栄養価は変わらないと考えるのが科学的だろう。よく食べる理由は、栄養価や味ではなく、引きちぎって食べる行為が食欲を亢進させるためと考えるのが妥当だ。
 さて、中国産を危険視する気持ちはわからないではないが、粟などの雑穀は農薬など使わずに山間部の畑作地帯で栽培するものであり、基本的には腐るものでもなく、輸送も中国なら近いと言えるので、ポストハーベスト問題も生じにくいと考えるのが論理的帰結と思われる。第一、すでに何十年も文鳥などの配合飼料の多くは中国産に依存していたにも関わらず、とりあえず大問題は起きていないという実績は確かに存在するのだ(中国産で問題になったのは加工食品と生鮮野菜)。
 全体の需要を賄えない事を承知の上で、日本国内産などの中国産以外を尊重するのは自由だが、何であれ栄養や嗜好性などは大して変わらないはずなので(保存の悪いものをのぞく)、もし特別だと思うとしたら、それは個人的な信仰に近いと言える。しかし、そういった選り好みをしていられる状態では急速になくなりつつあり、それどころか、中国産でも粟穂が潤沢であり続けるのか、より根本的に配合飼料も需要を賄えるのかさえも、不透明になりつつあるのが、まさに今日的な脅威だと危惧すべきではなかろうか。

 文鳥も、お米食に回帰してもらうことになっていくのかもしれない・・・。昔はお米は贅沢なので与えず、与えても青米だったが・・・。時代は変わるものだ。

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