必然の成り行き

文鳥墓苑の朝
文鳥墓苑の朝

 昨夜は、ブログを挙げた時点ですでにアルコールが入っていたのが真相だ。放鳥終了後、掃除しながら濃い水割りを2杯飲んでいたのだが、もちろん意識はまったく正常で(私は嫌なことを忘れるために深酒をする習慣を持たない)、22時30分に「文鳥団地」で物音がした気がしたので様子を見に行ったのだった。その時ハルはブランコに乗っていた。カンは・・・、つぼ巣の中でこちらに顔を向けていた。目は閉じていた。寄りかかって眠っている様子だったが、すでに息はないようにも見えた。しかし、皆が寝静まった状態で騒動を起こしても何の意味もないので、そのままにして、当然のように本当に眠ってしまったのであった。・・・こういう人間は、精神病にはなりにくいだろう。
 そして今朝、5時15分。昨晩見た時と同じ状態で冷たく硬直している亡骸を取り出し、キッチンペーパーに包んだ。カナリアシードなどの副葬品をティッシュペーパーに包んで添え、「文鳥墓苑」の墓石と敷石をどけて埋葬。墓石などを元に戻し、せっかくなのでお香を1本立ててみた。
 お香のグレープフルーツの香りがたゆたう中で、2つのカゴの準備を始める。伝染性はないはずだが、ハルのカゴは取り替えねばならない。もう1つは、後妻候補を迎える準備だ。・・・かくして、後妻探しが間髪をいれずに始まるのだった。

 京急K駅のガーデンセンター内。このお店は、昔は二度と近づきたくないような状態だったが、最近見たら大幅に変わっていて見直していたのだった。小ぶりなカゴに2台に、それぞれ5、6羽がひしめく中に桜文鳥もいる(ヒナも数羽別にいた)。開店してからエサの取替えなどをしている店の姿勢に悪感情を膨らませつつ、文鳥たちをよく観察する。みな胸にボカシが無いほど色が濃い。2羽は顔が大きく、アイリングが損傷しているようだ。1羽は健康に問題がありそうで、1羽だけ気の引かれる容姿の文鳥がいる。しかし、オスに見えた。むしろシナモンやシルバーや「シルバーイノ」の方にメスらしい綺麗な容姿の文鳥がいる。しかし、いずれも、どれがオスかはわからない。脚環もない。カゴが2つあるのは、それぞれオスとメスに分かれているのだろうか?とりあえず、店員のオバさんに尋ねてみる。
 ・・・特にオスとメスに分けているわけではなく、その場の見た目で判断するそうだ。「オスの方がクチバシが大きく~」、例の能書きを語りだしたので、「あうぁ~、結構!」と言ったか、たんに「うぇ~!」と声ならぬ声を発しただけだったか、ついでに右手で払ったか、覚えていないが、とにかく話を強制的に打ち切り、「ここでは買わない・・・」と背を向けてさっさと出てきたのは確かだ。この店員さんだけの責任ではないが、そのうちに『お前らごときが見た目で判断できるなら苦労はしない!!』と声に出してなじる日も近いだろう。
 適当にオスかメスか言ったとしても、当たる確率は50%はあるはずだが、見た目で分かると言い切った店で、性別が違わなかったことが無かったのだから、不思議なものだが、そんないい加減な話の相手はもうたくさんなのだ。
 再び京急に乗りI駅で降り、歩いて昔からよく知る不衛生な鳥獣店に行く。相変わらず汚い。ざっと見たところ、オス6千数百円との表示のあるシルバー文鳥と、ペアで7千数百円の表示がある桜文鳥たちがいた。桜文鳥。オスにしか見えない方は、ずいぶん目が大きく色が濃い。メスの方もまだらだが悪くない。しかし、何となくこのカップルはこのままの方が良い気がし、無理に仲を裂くのは他に無い場合で良いだろうと思えた。やめて帰宅する。

 午前中は失敗だった。家での仕事を終え午後の部開始。
 再び京急に乗り杉田で降り、JR新杉田駅に行く。途中にあったペットショップは無くなっていたが、想定内で、そのまま京浜東北線K駅で下車、かなり歩いてホームセンターにたどり着いた。・・・とりあえず、入り口で家族に頼まれていた『ペンタス』とかいう星型の花を買い、地下のペットショップへ行く。・・・サルやら猛禽類やらシロハラインコやら何だか良く知らないフィンチ類やら、相変わらずいろいろいるが、桜文鳥しか眼中に無い。基本的に綺麗なお店(と言うよりコーナー)だが、いろいろな生物がいる場所には長居したくないのが本音なのだった。
 桜文鳥。シルバーと一緒のカゴに1羽とペア状態の2羽(台湾産と表示されたヒナもいた)。どれも合格点だ。確かコウを買った時は、脚輪のあるのがメスだったが・・・、と思いつつ見たが脚がよく見えない。せっかくなので店員のお姉さん(にしておこう)に聞くと、果たして脚輪がある方だという。ペアの1羽に赤い脚輪が見えたので、それをくれと言う。その後、お店側が入荷日や出身地の確認で手間取る内に、シルバーの方にも黄色い脚輪が見えた。こちらの方が色が濃いですよと店員さんは言う。確かにそうだが、容姿は赤脚輪の方が好みだ(シルバー組の方は頭が小さく見えた)。それにさえずっていた相方と仲良く寄り添っていた。一方の黄脚輪は、シルバーの相方とカゴの端端に分かれて止まっている。・・・これは、赤脚輪の方がペアにしやすいことを示しているのではあるまいか。
 そういったことを考えるうちに、店員さんの確認作業は終わり、その文鳥が愛知県出身で昨年の8月からこの店にいるという申告を受けた。ずいぶん売れ残ってしまっていたようで、少々気がかりな面もあるが、年齢的にはハルの後妻にちょうど良いだろう。
 確認書に住所・電話番号・氏名の記載を求められた。これは、「動物愛護法」で飼養についての説明を受けたことの確認のため署名するようにされていることから流行している行為だが、あれは普通に考えればサインすれば良いだけのはずだ。・・・プライバシー問題に発展しかねない困った過剰反応だと思いつつ(嫌な人はでたらめを書けば良い)、さっさと記入して帰る(5,200円)。
 羽を間引き切りし、爪を切ってカゴに入れて、脚輪を取り、脚の角質を見て、確かに2歳になっているかもしれないと思いつつ、「文鳥団地」からははるか遠くに隔離する。店員さんの指を思い切り噛んでギャーギャー叫んでいたが、激変に固まっているようだ。とりあえず来週まで隔離する予定だが、名前は愛知県産を信じて「アイ」にしようと思う。

少し年季の入った「アイ」
少し年季の入ったアイ

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