ゲン・オッキ夫婦と独り身のメイ
昨年の11月はじめ、夫のオマケに先立たれたメイは、その後産卵しない。夫がいなければ産卵をしないのは当たり前と思うのは誤解で、文鳥は独り身でも産卵する時はするのだ。何しろ、ほ乳類のような受精卵のみが着床する子宮という組織がない。つまり、卵巣から排卵された卵子が受精しようとしなかろうと、自動的に卵が形成されるわけで、メスが産卵状態に入れば、オスが存在しなくとも産む可能性は十分にある。
メイの場合は産まないのが、不可思議と言える。今日は、放鳥中何とあの年寄りのノロと交尾していて驚かされたが、そもそも、人間的に考えれば不謹慎すぎることながら、夫が亡くなったその日から(実は生前から)、毎晩シンやクラの浮気相手になって交尾を繰り返しているのである。しかも、つぼ巣はあるし、アワ玉も食べ放題の環境なのだ(実際アワ玉をよく食べている)。
どのように考えても、産まない方がおかしい。ところが、一羽暮らしになった途端にピタリと産卵が止まっており、実に解せない。
そこで、産んでも温めるのを手伝わせるさせるオスがいないので、言わば自分の意志で産卵を抑制しているのではないかと想像している。この妄想に近い仮説が正しければ、産む産まないはメス文鳥の胸先三寸で決まることになる。どうにも出来ない飼い主を困惑させる、実に変わった生き物と言える。
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