夫婦になっていたら

買い物袋と格闘するカナ

　カナはもともとキューの嫁候補として連れてきた文鳥だ。たまたま、キューが異性には無頓着だったので（見かけによらず晩生だったのだ）、デコが横入りする形で夫婦となった。
　今にして思えば、キューとカナが夫婦にならずに良かった。何しろ、この2羽、妙に活動的で「変」なのだ。キューは、何か捜し求めてきょろきょろ落ち着かず、恐ろしいまでに目ざとい。一方のカナも落ち着きがなく、ビニール袋のガサガサ音をことのほか喜ぶ。
　この落ち着きの欠片もない2羽の子が生まれたとして、どちらか一方に似るならまだしも、相乗効果が発生したら、おそらく手のつけられないイタズラの天才になってしまうだろう。
　キューにはおとなしかったセン、カナには少しとろいデコ、何となくバランスが取れたおかげで、いちおう常識の範疇（あくまでも我が家の文鳥社会での）のポン、テンが生まれたわけだ。少し、怖いもの見たさで惜しい気もするが、良い結果と言えそうだ。