オスは何にでも乗る

玉乗りゲンさん
玉乗りゲンさん

 放鳥開始時、クラが目測を誤ったらしく墜落した。彼は片目が外傷性白内障なのだ。人間の側に不時着してじっとしているので放っておくと、やがて飛び立ちまた落ちた。
 どこかおかしいのかと、ボーッとしているのを捕獲し、手の中に入れておくと、ヒャッヒャッと息をはじめた。彼は癲癇持ちでもあるのだった。
 非手乗りなので、手の中に入れたのがまずかったと思い、すぐにテーブルの上におくと、じっとしている。そんな状態でテーブルにいると・・・、ゲンに襲われたので、気を失っているらしいクラを捕獲し、自身のカゴのそこに置いて放っておく。しばらくすると目が覚めて、カゴの中をしばらくうろついた後で、何事もなかったかのように飛び出してきた。
 文鳥のてんかん様発作が見られるのは周知の事実だが、この症状は知らないとあわてるものと思う。

 さて、文鳥のオスには、動くもの動かないものを分かたず、何にでも乗っかる奴がいる。交尾の練習というより、何となく欲情するからだと思うのだが、一種の特技になることもあるようだ。
 現在ゲンは、イグサをボール型に編んだおもちゃに乗って遊んでくれる。気が乗らないとやってくれないので、その様子を見たい人間は機嫌をとろうとするのだが、後ろ脚で蹴っ飛ばして飛び去ってしまうことも多い。そのうち、お金を取るつもりかもしれない。

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