私の老母は、植木を枯らすことにかけては天才なのですが、毎年涼しくなるとシクラメンを買ってきます。今年も大きいのを引きずってこられては嫌なので、小さいのを先に買ってしまうことにしました。そこで、いちおう何色が良いのか聞いたところ、オレンジみたいな赤と、赤に近いピンク、といった難解な答えをします。なるほどそんな色合いのものもあはずですが、あいにくホームセンターで売っている一番安い物には、赤とピンクと白しかないに決まっています。白はいらないのかと聞くと、白は枯れやすいのだと言います。真偽のほどはわかりませんが、何色でも枯らすではないかと思い、さらに『シクラメンといったら白だろ!布施明の立場はどうなるのだ!』といった個人的な見解から、黙って3色買ってくることにしました。
もちろんそれだけのために、ガーデンコーナーに行くわけがありません。文鳥墓苑に植える何か白い花を買ってくるという目的があったのでした。春に植えたアレナリアモンタナは、北方系の草花のため夏枯れし、その後が殺風景だったのです。しかし、これももちろんの事ながら、草花に関する知識はないので、どの花がどういったものなのかは皆目わかりません。売られている小花で、私の感覚でお墓にふさわしそうな白系のものを、たんに見た目だけで物色しました。そして、キンギョソウとジュリアンを選んで買い、早速墓苑に植えてしまってから、どういった花かネット検索することになりました。
まずキンギョソウ。ゴマノハグサ科の植物で、花の形が金魚のようなのでその名前になったとのことで、金魚の生産地として有名なあの愛知県弥富市の市の花にもなっているそうです。弥富といえば白文鳥の発祥地として、その筋では知られていたところなので、文鳥墓苑の花としてもふさわしそうです。ところが、花の時期が春と秋で、秋は10月一杯が目安とありました。今日から11月、となれば、花の命は短いのは確実で、時期を失した感があります。
続いてジュリアン。正確にはプリムラ・ジュリアンというサクラソウ科の植物で、別名が「西洋桜草」と言うそうです。こちらは、耐寒性が強く冬にも花が咲き続けてくれる模様です。造花のようなわざとらしい姿をしていますが、丈夫で長持ちしそうで良いかもしれません。
かくして、墓苑は向かって左に植木の白南天、草花の金魚草、右に植木の天皇梅、草花の西洋桜草が並ぶことになりました(右側の組み合わせがお薦めです)。
文鳥たちの冥福を祈ります。
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