朝、5時30分。嫌な予感を抱えつつ『団地』の様子を見に行くと、センがエサ入れに首を入れてついばんでいた。かなり安心する。
7時、いまだエサ入れの前に陣取っているセンを捕獲し、薬を飲ませる。昨夜よりも力強くなっているように思われた。このまま回復してもらいたいところだ。
病鳥がエサを食べようとするのは、命を長らえるためで、これは一所懸命な行為だ。この姿に対し、「エサを食べるふりをする」などと見なす人がいるが、それは生命に対しての認識が甘いように思われる。元気なふりをする余裕があれば、人間以外の動物は、他に体力を振り分けるものなのだ。
おそらく、鳥の一部に見られる擬態、ケガのふりをして天敵の注意を巣から離す行動からの浅はかな連想を、経験の浅い飼い主が鵜呑みにしているだけだろうが、自分の鳥がまさに懸命に闘病する様子を目前にして、「飼い主に隠そうとしている」などと考えるのは寂しすぎるし、事実でもない。
懸命に食べようとするのは生きるためで、そのエサがクチバシからこぼれたり、飲み込めなかったり、消化しきれなかったりするのは、100%病気のためなのだ。ここのところを、生き物として素直な気持ちで受け止めたいと思う。
・・・ご心配をおかけして申し訳ないです。その後です。
昼、センは重篤にはならないものの、回復もしない状態だ。エサは食べているようだが、楽観は出来ない。すでに隣カゴのゴンのために20W保温器が点いているが、1台増設する。ついでに、エサ入れと水入れを上段にも設置し、エサにはネクトンSを添加しておく。
午後6時過ぎ、ヒナたちへの餌づけの後に、薬の点滴をする。薬の飲み込み方はうまくなったが、ヤッチのようなV字回復は望めないようだ。
夜、放鳥時、まさか出てこないだろうと思っていたが、キューにつられて飛び出し、あわてて引き返してきた。それだけ飛べれば、まだ余力ありと見て良いかもしれない。とにかく他のカゴに入り込もうとするところを捕獲し、自分のカゴに戻す。その後は、入口まで出て考えるものの、飛び出すのは自重し、いかにも病気の態でポリポリとエサを食べていた。
夜9時45分頃、ヒナの餌づけと掃除を終えて様子を見ると、保温電球に身を寄せるようにして眠っていた。近くでキューも就寝中であった。どちらに転んでもおかしくない状況だが、まだ若いので病気に打ち勝ってほしいところだ。
夫の帰りを待つ病身のセン
実母は病気だが、子供の「テン」は元気で、餌づけスポイトの『育て親』を飲み込むばかりの食欲を見せている。そのうにはいったエサなど、頭の大きさの3倍はあるだろう。その物体がやたらと動き回り、のんびりした性格らしい(今のところは)「ポン」をと惑わせている。
なお、今日の最終体重は、「ポン」27g、「テン」22gであった。
「ポン」19日目、「テン」15日目
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