少し先ではありますが、12月10日より改正遺失物法が施行されます。
【警察庁のページ】http://www.npa.go.jp/safetylife/chiiki2/KaiseiIsitsubutsuhouTop.files/slide0001.htm
この改正について、犬・猫の飼い主に危惧する方もいるようです。動物愛護法(動物の愛護及び管理に関する法律)の第35条において引き取り対象とされる「犬及びねこ」が、この改正により、明確に遺失物法の規定外となるためです。何しろ、愛護法では「犬又はねこの引取りをその拾得者その他の者から求められた場合」「都道府県知事等」が引き取ることになっているため、「保健所」や「動物愛護センター」などの公的な施設に送られ、一定の短い「飼養期間」(東京都の場合1週間ですが、短いところでは数日)の後、「殺処分」されてしまうことを意味しているからです。
しかし、これは所有物として警察の扱いにするのと、動物として保健所などの扱いとするのと、現実に存在している二重基準こそが問題であり、警察が数ヶ月も拾得物として犬・猫を飼養し続けることが不可能な以上、一本化は止むを得ないものと思います。やはり、愛犬家、愛猫家としては、遺失物法とは無関係に、鑑札の首輪などへの取り付けの徹底や、終生飼養の啓蒙と同時に、愛護法での飼養期間の明記と、犬猫の保護期間の延長を各自治体に働きかけるべきでだと思います(遺失物扱いなら3ヶ月保管が義務付けられるものを数日で処分出来るようにしてしまうのは、明らかに愛護法の精神に反するとは思う)。
さて、私の関心事は、鑑札などない文鳥などの小鳥です。飼い主の不注意で家の外に飛び出して行方不明となった場合、これは遺失物の扱いとなります。つまり、落とした物が風に吹かれて遠くに飛んでいったのと、法律上は同じことなのです。ところが現行の遺失物法では、遺失物届けを出した警察署の管轄内での拾得物と照合はしてくれても、近隣や他の警察署への照会が不十分なことがあり、遠くへ飛んで行ってしまった場合に発見が困難になるケースがありました。せっかく保護してくれた人がA警察署に拾得物届けを出していても、B警察署に遺失物届けを提出している飼い主のもと情報が伝わらないわけです。
この点改正法では、拾得物の情報は都道府県単位ですべてインターネットで公開されるため、拾得物届けさえ出ていれば、飼い主は遺失物届けを提出する前から、インターネットで探し出すことさえ可能となります。もちろん、インターネットを利用していなくても、遺失物届けの提出さえすれば、警察での検索は容易で、管轄区域に気を使う必要がなくなります。
まだ、運用面でうまく機能するかは未知数ですが、もし期待通りのシステムであれば、鳥の迷い子掲示板は必要なくなるかもしれません。もともと、飼い主や保護してくれた人がすべてインターネットを利用しているわけではないので発見は難しく、希少種の場合、転売を目的としたニセ飼い主が名乗り出るような詐欺もあり得るため、利用しづらい面も多かったのが事実でした。もし、この改正遺失物法がうまく運用されれば、個人のサイトで探す必要などなくなるでしょう。
鳥を迷わせてしまった人、鳥を保護してくれた人は、何よりもまず警察へ、と言えるようになって欲しいと思います。
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