個人を守って暖簾を汚す?

 中居くんは芸能界を引退するそうだが、引退していないと言い張っても、仕事はないので特に意味はない。しかし同級生よ(上2年下2年は同じ時期に中学生や高校生として生きているので同級生と見なす)、かつらで気を使ったり、精神的な問題と称して仕事をさぼって、不自然にツヤツヤで表情のない顔を保ったりする必要がなくなるのだ。のんびりしたらいいではないか。
 ・・・もっとも違約金やら何やらで自己破産は必至だけどな。お部屋に引きこもってはジリ貧なので、今のうちに、どこか海外に移住してしまう方が良いかもしれないね。別に、CMスポンサーへの借金など払ってもらわなくても、一般人の迷惑にはならないだろう。
 犯罪行為をしながら示談にしておいたから出国も出来る。寛大な被害者に感謝しろよ。詳細は当然不明だが、婦女暴行、監禁、致傷まではつくだろうから、数年は「務所」ぐらし、当然、芸能活動どころではなかったのだから、自由な身分でいられるだけでも御の字である。

 個人のことは、それぞれ頑張って生きてくれたら良い。第三者は、忘れてやるのが親切だ。
 問題は、フジと言う企業体だ。富士山の名前に値しないので、名前を『サンケイ』に変えるか、消滅してくれないかと、個人的には強く思っている。何しろ、中居の不始末当時、専務だった人の会見も、結局、企業人としての責任感の欠如を露呈するばかりだったからである(会見の産経記事)。
 どうすれば良かったのか?スポンサー料を受け取ってスポンサー企業のブランドイメージ、昔風に言えばそれぞれの暖簾に瑕がつくことのないように配慮し、その責務を果たすため自分の会社が公明正大であることをアピールできるように、経営者としての責任を果たせば良いだけだろう。ところが、専務も社長も「この女性のケア、プライバシー、人権、心身のケアというのを本当にしっかりとやらなければいけないと強く思ったのを覚えています」だ。
 性被害者のことを考えて、性加害者のテレビ出演を継続しました、とはどういった感覚なのであろうか。即刻、放映を禁止、局内立ち入り禁止にでもして、また、精神的な病気とでもしておけば良いではないか。加害者とグルになっていると思われてしまえば、「心身のケア」の妨げになるだけなので、第三者は余計なことをせず、家族や親しい人たちや心療内科の先生に委ねておけば良いはずだ。

 経営者として判断ミスを重ね、株価の低下を生じさせれば、当然、株主から経営責任を問われ、賠償を請求されることになる。社長も専務もわかっていないようだが、すでに当事者は、この「案件」を処理した経営陣に移っており、ブランドをイメージを損なった(暖簾をけがした)ことへの損害賠償も加わって、あなたたち個人に迫っているのである。つまり、フジと言う会社の暖簾も、そこに資金を提供するスポンサー企業の暖簾も、ともに汚したのは、中居と言う中年の芸能人ではなく、「事案」処理に失敗した経営者、つまり、あなたたちだ。
 制作のプロデューサー出身者は、責任とはマネーであることを理解していないのかもしれないが、その点、とてもシビアな外資が見過ごすわけがないだろう。彼らが説明を求めた目的は、株主利益の向上以外の何ものでもなく、そのためなら経営陣の責任を追及し、会社の解体も厭わない。一体、親切心で何点を指摘してくれたとでも思っているのだろうか。まったく、度し難い脳天気と言う他あるまい。

 中居くんのつやつや顔より面の皮が厚くとも、厚かましさで誤魔化せる問題ではない。何しろ相手は、欲の皮を突っ張らせて、「マネーマネー!」を正義とする人たちなのだ。
 何となく見栄で出世してしまっただけなのに気の毒にも思うのだが(しかし、テレビマンなど一から十まで嘘だらけな方が普通だろう。前科が有り過ぎて現実社会では信用されないことにも気づかず、虚構の世界の天才をトップに据えているのが命取りだったのかもしれない)、身ぐるみ剥がれるのを覚悟しなければなるまい。被害者を気遣って強い行動が出来なかった、奇跡的に本当でも、習慣的に虚構でも、責任は免れない。それが現実である。

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