ミト逝去

 19日夕方には底部分の隅で明るい側に顔を向ける臨終現象「もっと光を!」(視力が衰え暗く見えるようになってしまうものと思われる)が起き、「夜会」では水分を求めたので、底に水飲みを設置、さらに20日には底でエサを食べられるようにした。
 しかし、病状は進み、昨夜はカゴ出てくることが出来ず、それでもエサ入れまで這ってきたので、手に取って連れ出した。その際は、体温が低下していたので手の中に留め、このままご臨終で良いのではないか、とふと考えた。それでもミトは頑張り、体が温まるとエサを食べにテーブルに降り、食べてはまどろみを繰り返した。帰る際は手に包んでケージ内の巣に入れたが、さすがの頑張りもここまでと悟らざるを得なかった。
 今日は、朝ケージの底で永眠しているのではとのぞき見たが姿は無く、昼、夫のマツが巣の中をのぞいているので、ご臨終と判断して手を入れてむくろを取り出した。・・・案外、数時間前まで息はあった様子だ。巣から這い出る力がなく、そのまま永眠したのだろう。数時間前に手の中で永眠させ…ようとすれば、マツを巻き込んで大騒ぎになったであろうし、これはこれで止むを得ぬと思うことにして、重さを量れば19gであった。悪性腫瘍で病み衰え痩せて、木が枯れるような最期を迎えたと見なせよう。

 こうした病気の進行を何度か経験すると、「獣医さんに診てもらったから何週間か頑張ることが出来たんだ」などという経験談が、如何にも虚しいものに思えるようになってしまうのは、ご理解いただけようか。
 診てもらわないでも何週間も頑張ってくれるし、診てもらわない方が文鳥にとっては気楽なのは疑いようもないのだよ。なぜなら、病み衰えた身を引きずり回され、見ず知らずの人間にいじりまわされる恐怖を感じることもないのだから。

 ともあれ、ミトちゃん安らかに。
 一度離婚して復縁した浮気者の夫に見守られ、良い一生と思いたい。

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